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2009.06.17 | 政策提言
核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議
「日本の平和と政治」 鈴木恒夫衆議院議員 
2009年度定例総会が、5月15日、東京・神田の学士会館で開催され、総会終了後に鈴木恒夫衆議院議員の講演が行われた。
以下のその要旨である。

私の父の弟も、母の兄も戦死していて、父がおじの慰霊のため、裏山の泰山木をリヤカーで引いて、靖国神社に植えに行く姿が今だに脳裏に焼きついており、戦争だけはしてはならないという気持ちが、
新聞記者や議員になろうと考えた最大の動機であった。         

私は河野洋平先生の秘書からスタートして、議員歴20年になろうとしている。戦争だけはしてはいけないという気持ちは皆様と同じくらい持ち続けて活動している一人である。

平成17年8月2日の「国連創設及びわが国の終戦・被爆六十周年に当たり更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」の原文を私が議長に言われ、殆ど手書きをした。その際に森山先生をはじめ、植木先生からの依頼に基づき「世界連邦実現の道の探究」という言葉を入れた。その後、軍縮の動きがあまりみられなかったところに、今度のオバマ米国大統領のプラハ演説があった。
 この演説のきっかけになったのが、河野洋平衆議院議長が立案し、広島において開催された議長サミット、これが非常に大きな意味を持った。昨年9月1日-2日、広島の国際会議場で、アメリカからペロシ下院議長も来て盛大に行われたのが議長サミットである。

オバマ演説のきっかけは実はペロシ下院議長がかなり大きく貢献をしたと言われる。唯一の核使用国としての、道義的責任に触れており、しばらく核軍縮の動きが停滞していたときに、目の覚めるようなことであった。その後、麻生総理もアメリカ訪問の際、親書を携えていったわけだが、この親書も実は、河野洋平議長がオバマ演説であれだけ言っているのだから総理も親書を持っていくべきだと説得をして、持っていっていただいたという経緯がある。

急速に核軍縮の動きができてきたのはご存知の通りである。それを受けて中曽根外務大臣も4月27日に「世界的核軍縮のための11の指標」という演説を外務省で行った。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/21/enks_0427.html

この中で中曽根外相は、2010年に日本で核軍縮の会議をおこなうべきだと述べた。2010年核軍縮会議と仮称している。

アメリカとロシアの協調と指導力、中国およびその他核保有国による核軍縮、核軍備の透明性の確保、不可逆的な核軍縮、将来の検証に関する研究、核実験の禁止、兵器用核分裂物質の生産禁止、弾道ミサイルの規制、民生用原子力のための国際協力、IAEA保障措置、核テロリズムの防止。
 これらが11の指標と呼ばれているものである。こういう流れがあり、実は、国会で核軍縮の決議をしようという動きがある。

これも河野洋平議長がオバマ演説を受けて、なんとか国会で核軍縮決議をできないかという発案をしたのである。近々、超党派で核軍縮の国会決議が実現されると期待される。(この国会決議は別記の通り実現された)

国会議員の大半を戦後世代が占めるようになり、戦争の痛みも忘れ去られていく中で、この決議の持つ意味は非常に大きい。自由民主党のみならず、野党の若い議員と話をしても、新しい形でのナショナリスティックな発想が国会議員の中にもひそんできている。

私が子供のころ、祖母におぶわれていたときに焼夷弾が嵐のように降ってきたのを覚えている。なんらかの形で戦争というのはどれほど恐ろしいものかということを若い人たちにも理解していただきたい。    沖縄への修学旅行が最近減っている。どうせ南の島へ行くなら、沖縄のひめゆりの塔の前でアナウンスを聞かせてあげてほしい。島の人たちが命を落としていった様子を子供たちの目で耳で実感してほしい。そうした体験を若い世代にしてもらうことが本当に大切なことだ。偏狭なナショナリズムに走らなければよいと案じている。

かつて中東に自衛官を出すか出さないかと議論したときに、身を張って防いだのが後藤田正晴官房長官であった。おもわぬ人が絶対に戦争はさせないと立ちはだかる。私どもから見てタカ派と思われる方でも、そこの部分だけは毅然とした議員がたくさんいた。やはり実感というのは大切だ。
 世界連邦の皆様方も、子供たちに、若いときに、心を震わせる場をつくっていただきたい。
 2010年という年は世界の軍縮にとっても、あるいは皆様の目標とされる平和な世界連邦の第一歩をもう一回確認するという意味でも、非常に大事な年になると思う。与野党の壁を越えて、国民合意の方向性をつくっていかなければならない。それが世界連邦へのリーダーシップを握れる条件になるだろう。

現職は退くが、まだまだ坂の上の雲をおいかけて、前向きに生きていきたい。ご静聴ありがとうございました。

鈴木恒夫氏は2005年8月2日、いわゆる世界連邦国会決議の筆頭提出者であり、当時議院運営委員会の筆頭理事として、意見の取りまとめに尽力した。また軍縮議員連盟の事務局長でもあり、自民党の中では指折りの平和主義者である。(事務局)


核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議
平成21年(2009年)6月17日       参議院本会議

わが国は、唯一の被爆国として、これまで世界の核兵器廃絶に向けて、一九九四年以来、国連総会へ「核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮」決議案提出など、先頭に立って活動してきたが、これからも、一層行動する責務がある。

しかし、冷戦後の現在においても、核兵器のみならず、核爆弾搭 載可能なミサイルの開発、核物質や核技術の流出、拡散等の脅威はむしろ高まりつつある。この状況を打開する為、去る四月五日、オバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を追求する決意を表明した。また、国連安全保障理事会も北朝鮮の核実験に対し国連安保理決議第一八七四号等で断固たる拒否の姿勢を示した。

我々はこの事態を重く受け止め、核保有国・非核保有国等と連携 をとり、核軍縮、核不拡散の取り組みと実効性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきである。また、政府はこの機会を捉え、2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議において、主導的役割を果たすとともに、核保有国をはじめとする国際社会に働きかけ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効 や兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の推進など、核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきである。
右決議する。

※衆議院での同題の決議(6月16日)につづいて決議された。

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