Action 私達の国際NGOとしての活動をご紹介します。
2011.12.16 | その他
世界連邦運動世界理事会報告

10月24日~26日、ワシントンDCにおいて世界連邦運動(WFM: World Federalist Movement)の世界理事会が行われた。出席した犬塚直史国際委員長が、12月8日には世界連邦・国会委員会で、12月9日には世界連邦運動協会執行理事会において講演を行い、世界における運動の動向を報告した。


講演概要は以下の通り。


1.財政

WFMのニューヨーク本部では来年度の寄付収入を400万ドル〜700万ドルと見込んでいる。その内、74%は国際刑事裁判所のためのNGO連合(CICC: Coalition for international Criminal Court)、21%は保護する責任のためのNGO連合(ICRtoP: International Coalition for the Responsible to Protect)への寄付であり、世界連邦運動本体への寄附は4%にしか過ぎない。ICC、R2Pなど、世界連邦を構成して行くプロジェクト単位で資金調達に成功していることは特筆に値する。



2ICC国際刑事裁判所

2003年にICCが実際に設立されたのは、世界連邦運動の確かな成果であった。現在、スーダンのバシール大統領など、国家元首に対しても逮捕状が発出されている。昨年(2010年)の締約国会議で「侵略罪」の定義が採択されたのも大きな前進だ。ICCがさらに実効性をもつための課題は多いが、世界の裁判所として育てて行かなければならない。

翻って見れば、1998年に世界連邦運動協会が事務局となってICCの為のNGO連合を立ち上げた。当初17の団体しか加盟していなかったが、現在は2,500団体にまで成長している。当協会のウィリアム・ペイスがその代表を務めているが、世界連邦の運動としてはほとんど認識されていない。今後ともこうした包容力のある立場で、プロジェクト単位の結果を出す活動を続けるべきだろう。



3保護する責任

1995年のルワンダのように、人類の良心に衝撃を与えるような事態が起こった時に適用されるべき規範が「保護する責任」原則だ。本来、急迫不正の身体的危機に瀕した国民を「保護する責任」は主権国家にある。しかし残念ながら当該国家にそうした能力や意思がない場合には、国際社会が代わりに「保護する責任」を担うというものである。

この「保護する責任」原則が2005年の国連総会の場において全会一致で採択された。「内政不干渉」を基本理念とする国連で主権国家の存在意義を厳しく規定する決議が採択されたことは歴史に残る出来事だ。

2009年より世界連邦運動がこの運動を推進するNGO連合の事務局を担っている。英語版ホームページでその最新情報をいつでも確認することができ、先月(2011年11月)だけでも世界各地で10回を超えるセミナー・勉強会が行われている。早い機会に日本語版を立ち上げたい。



国連議員総会(UNPA: United Nation Parliamentary Assembly)

現在の国連総会は各国の政府代表が出席しているが、どうしても出身国の国益を主張する場になりやすい。 それとは反対にEU議会では国益を離れてEU益を議論する枠組みが存在する。そうした意味で、地球益を議論できる議員を選出するのがUNPA国連議員総会の狙いである。

こうしたUNPA国連議員総会を憲章22条機関として設置することにアルゼンチン世界連邦運動が取り組んでいる。しかし残念なことに列国議会同盟(IPU: Inter Palieamentry Union)がこの運動に反対を表明している。論理的には、二つの会議は補完こそすれ敵対するものではない。IPUの不思議な立場に対してはEU議会も反対の意見を表明している。我国もIPU会議参加には予算をつけて支援をしている以上、日本からもIPU本部に対して説明を求めるべきだろう。



国際連帯税

2008年の金融危機に端を発する不公平感が広がる中で、2011年11月3~4日のG20カンヌサミットでは初めて金融取引税が正式に議論された。通貨取引の一部、株式、債券、デリバティブなどに課税しようとする取組みである。ビル・ゲイツ、ジョージ・ソロス、などの財界人、ジョセフ・スティグリッツ、ポールクルーグマンなどノーベル経済学賞受賞者も賛同している。

ただしこの提案では、税収をEU加盟国の財源として、国際連帯税としていないことが問題だ。日本では国際連帯税を求める議員連盟と市民社会が協力する形で、通貨取引税(CTDL: Curency Trade Development Levy)の導入が提唱されている。税収を開発や温暖化対策など、地球規模問題に充てるというものだ。もちろん通貨取引への課税は円高対策など、投機マネー抑制にも役立つことも強調されるべきだろう。



いずれにしても国内問題、国際問題は頻繁に取り上げられるが、多くの場合その原因となっている地球規模問題に正面から取り組む議論はされていない。今こそ世界連邦運動が注目される時だ。

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